阪神のドラフト6位・岩崎(いわざき)優投手(22)=国士舘大=が9日、横浜DeNA戦(甲子園)に先発し7回6安打1失点の快投でチームの勝利に貢献。投壊が続く中、突如現れた救世主に首脳陣も大喜びだ。
「1イニング1イニング、最少失点でいこうと思っていた。走者が出ても焦らず、打たせて取るピッチングができた」
毎回走者を背負いながら失点は4回に浴びた4番・ブランコのソロだけ。2戦連続の白星は逃したが「自分の投げた試合でチームが勝てたことがうれしい」と笑った。
前日8日は藤浪がまさかの炎上で逆転負け。「どうしても取りたいゲームだった。そんな中で持ち味を発揮して、細心かつ大胆なナイスピッチングだった」と和田監督。「来週もあると思う」と先発ローテ入りを確約したが、左腕の活躍は想定外だった。
ドラフト6位で入団。が、「ドラフトで指名する人数は5人と聞いていた。だから6位を指名したときはビックリした」と球団関係者。昨季は計算できる左腕が先発、リリーフともに加藤1人だったことから指名となったようだが「岩崎は即戦力というより、1年間は2軍でじっくり育てようとなっていた。本人にも伝えられていたみたい」(前出関係者)という。
ところが、1軍投手陣が炎上続きで、2軍で結果を残す岩崎に白羽の矢が立った。2日の中日戦(京セラドーム)では5回無失点で初登板初勝利の大仕事。「本当にこんなに早くくるとは思ってなかった」と驚きの表情を浮かべていた。
想定外の悩みもある。チーム防御率6・63と12球団中ワーストの中で岩崎は防御率0・75。“広告塔”藤浪も2戦連続で炎上中とあって、新人の岩崎に取材が一極集中。「あまりの取材攻勢に、本人はすでに頭がいっぱいいっぱい」と球団関係者も困惑気味だ。
人気球団ゆえの宿命を背負いつつ、救世主から先発の柱へ。ルーキー左腕の快進撃に注目だ。