プロ野球の日本生命セ・パ交流戦は20日開幕。10年目の記念企画として、指名打者(DH)制をセ、パで入れ替える新たな試みも実施される。
2005年の球界再編騒動を機に人気回復策として始まった交流戦は、過去9年の対戦成績はパの733勝660敗47分。セが勝ち越したのは09年のみで、優勝も12年の巨人しかない。実力のある打者がそろう巨人の川相ヘッドコーチは「DHができる選手は何人かいる。本拠地でできるのは有利に働くかも」と新たな試みに期待する。
一方で、試合数をめぐっては両リーグで議論が続く。導入当初は36試合(各カード6試合)の計216試合で「長すぎる」との意見から、07年から現行の試合数に減った。だがセ側は(1)2連戦で日程が間延びする(2)リーグ戦の順位に影響する-などからさらなる削減を要望している。
かつては人気が低迷するパの“救済措置”の意味合いも強かったが、いまや地元密着型の球団運営でファンを確保。パ主催の交流戦の観客動員数は1試合平均2万8783人で、年間の2万2790人と比べても好調で、パの球団幹部には「36試合制を復活すべき」との声もある。
逆に放映権料が主な収入源だったセは、テレビ中継が減り球団経営に影響を及ぼしており、人気カードを取り戻したいとの意向も見え隠れする。
スポーツジャーナリストの永谷脩氏は「間延びしない3連戦がベスト。でもこれ以上、試合数を減らすのは物足りない」と指摘する。
試合数をめぐる両リーグの綱引きはしばらく続きそうだ。(プロ野球取材班)