
初球をとらえた瞬間、確信した。それでも「まじか」と、ホームラン打者ではない自分を一瞬疑った。巨人のドラフト1位小林(日本生命)は、逆転満塁弾となる“プロ第1号”が左翼席場外に消えたのを確認すると、ようやく小さなガッツポーズを見せ、頬を緩めた。
巨人軍創設80周年ということもあり、伝説の大投手である沢村栄治の出身地・三重県伊勢市で65年ぶりに行われた阪神とのオープン戦。巨人は全員が沢村の永久欠番「14」、阪神も同郷で初代巨人キラー・西村幸生の背番号「19」を着け、試合に臨んだ。
そんな試合で飛び出したメモリアルアーチ。本人は「自分は『もっていない』と思うんですけど…」とはにかみっぱなしだが、原監督は「ああいうところでああいう打撃ができるのは、大きな可能性を感じる」と改めて評価した。
「ポスト阿部」として期待がかかる24歳。リード面や肩の強さに比べ打撃に課題があるとされてきたが、オープン戦打率は・364。日に日に存在感を増している。
それでも小林は「自分では結果が出ているとは思っていない。1試合、1打席、1プレーにアピールしていかないと」。これからも全力プレーで、偉大なる先輩が築き上げてきた巨人の伝統を引き継いでいく。(森本利優)