個人競技であるマラソンでナショナルチームを編成する狙いを、酒井勝充日本陸連強化副委員長は「選手と指導者の意識を変える」と説明した。五輪や世界選手権への出場や国内の駅伝に向きがちな視線を、世界でのメダル獲得に転換する考えだ。定期的な強化合宿で意識を説き、共有していくという。
もう一点は五輪をはじめとする夏のレースでの暑さ対策だ。ことしは男子が8月に北海道釧路市、9月に士別市で約10日ずつ、女子は6月に米国で約1カ月の合宿を予定し、選手には参加を義務づける。40キロ走を最低2回行い、レース前後の体温や体重の変化、尿や血液の成分を測定。暑さへの適応力などを分析し選考に反映させる。選考レースでほぼ同等のタイムだった場合は、安定度を見極められるナショナルチームの中から優先的に選ぶ方針だ。
また、測定結果は選手に還元し競技力向上に役立てるほか、データベース化もしていく構想。リオデ五輪だけでなく東京五輪、以降の選考と強化にも生かせる態勢作りを目指す。