サッカー女子日本代表のなでしこジャパン(世界ランク3位)が8日、大阪・キンチョウスタジアムでの国際親善試合でニュージーランド代表(同20位)と対戦し、2-1で競り勝ち。この日の試合で代表初招集、ポスト澤として期待がかかるMF猶本光(20)=浦和=が後半41分に出場、なでしこデビューを果たした。
W杯予選を兼ねた女子アジア杯(14日開幕・ベトナム)への強化試合で、課題だった“世代交代”が、ようやく実現に向けて動き出した。
前半40分、主将のMF宮間あや(岡山)が最終ライン裏に走り込んだFW高瀬愛実(INAC神戸)に浮き球の芸術的な縦パス。これを高瀬が胸できっちりコントロール、飛び出したGKの動きを冷静に観察して右インサイドでゴール中央に流し込み先制。ここまでは“なでしこの勝ちパターン”だった。
だが後半13分、日本はMF澤穂希(INAC神戸)とA代表デビューとなったDF乗松瑠華(浦和)を投入。その4分後にミドルシュートを決められ同点に追いつかれた。
劣勢ムードをかえたのは、後半41分にFW川澄奈穂美(シアトル)にかわって投入された猶本だった。
「こんなに早くなでしこジャパンのメンバーに呼ばれるとは思わなかった」
新鋭のピッチ登場とともに、なでしこの動きが活性化。20歳が積極的に走り回り試合の流れを引き戻すと、猶本と同じく2010年U-20W杯で“ヤングなでしこ”として活躍したFW菅沢優衣香(千葉)がヘディングで決勝ゴールを決めた。
これまで「世代交代というけれど、同じ実力ならこれまでのメンバーを起用せざるをえない」と話していた佐々木則夫監督だったが、W杯予選直前の試合での、猶本らヤングなでしこ世代の台頭に「まだまだですよ」といいながら、その表情は満足感たっぷりだった。