
【ワシントン】オバマ大統領は6日、ウクライナのクリミア自治共和国議会がロシアへの帰属を問う住民投票を実施することを決めたことは違法だと非難する一方、米国は欧州連合(EU)と結束してロシアのウクライナ介入に反対していくと述べた。
オバマ大統領は声明で「ウクライナの将来に関するいかなる話し合いも、合法的な政府が参加しなければならない。国境が民主的指導者の頭越しに決められるという事態は2014年(現代)では考えられない」とした。
ロシア政府が支援するクリミアの議会は6日、同地方がウクライナから離脱してロシアへ帰属する住民投票を16日に設定した。オバマ政権は同日、ロシアへの経済制裁の準備を整えるとともに、ウクライナの混乱に加担していると認められる者に対するビザの発給を制限した。
大統領はさらに、米政府は必要に応じてロシアに対する他の制裁措置も機動的にとる用意があると述べた。しかしその一方で、今回の危機がロシアとウクライナ両国にとって利益となるような解決方法があるとも付け加え、ロシアがウクライナへの国際的な査察を受け入れるよう求めた。
オバマ氏は声明に先立ち、ウクライナの民主主義を破壊する活動を行った人物に対する制裁を認可する大統領令に署名した。これについて米政権は、ロシアがクリミア地方から手を引く圧力を増大させることを狙ったものだと説明している。
この制裁の動きと平行して、ケリー国務長官はローマでロシアのラブロフ外相と会談し外交的解決の道を探った。会談でケリー氏は、ロシアがウクライナの現政府の指導層と直接対話することを促した。
オバマ政権高官によると、発動した制裁枠のなかでビザの発給制限以上の制裁を受けたロシア関係者やウクライナの前政権の関係者は現段階ではいないという。ただ、速やかに制裁措置を実行する準備は出来ていると警告した。
ある政権高官は、この制裁準備が「ロシア政府にこの介入にはコストを課すというわれわれの強いメッセージを送るものだ」と話した。
ホワイトハウスは、この制裁について具体的に誰を念頭に置いているかと、その中にヤヌコビッチ前ウクライナ大統領が含まれるかどうかについては言及を避けた。
一方、この制裁案作成に関わる米議会指導者らは、オバマ政権の対処が正しい方向に進んでいると述べ支持を表明した。
ベイナー下院議長(共和党、オハイオ州)のブレンダン・バック広報官は「(政権の)この第1段階の制裁を歓迎するとともに、プーチン大統領の行動をけん制し、ロシアがウクライナ以外の隣国に対し、その主権を侵害するのを阻止するため必要な権限をオバマ大統領に与える」と述べた。
下院はまた、オバマ政権が求めた10億ドル(約1030億円)のウクライナ支援パッケージを同日遅く承認する見通しとなっている。