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「家族」と刺繍のグラブ、「ミズノ」のギャラリーで触れられるヒーローたちの“人柄” - news15

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2025.09.17|コメント(-)トラックバック(-)

「家族」と刺繍のグラブ、「ミズノ」のギャラリーで触れられるヒーローたちの“人柄”


 ソチ五輪やサッカーのワールドカップといった4年に1度のスポーツイベントが続く今年。試合をより楽しむためにもアスリートの心の内側を知りたい、そんなファンの気持ちに応えるギャラリーが大阪市にある。国内外の有名選手に用具を提供するスポーツ用品メーカー「ミズノ」(大阪市住之江区)の大阪本社ビルにある「ミズノスポートロジーギャラリー」だ。米大リーグ・ヤンキースのイチローやイタリア・ACミランの本田圭佑らの愛用品などが展示されているが、そこはミズノ。選手の心が伝わる細部まで、同じ用具が再現されている。

 ■グラブの中の刺繍(ししゅう)もそのまま再現

 ギャラリーがあるのは、大阪・南港のベイエリアに立つ高さ147メートル、31階建ての高層ビル1階。入り口は社員と同じだが、一般の人も自由に無料で見学することができる。

 まず目を引くのがイチローや本田、陸上ハンマー投げの室伏広治ら日本をリードする選手たちの等身大パネルだ。いずれもミズノ契約選手で、選手が使っているのと全く同じバットやシューズ、ハンマーなどが展示されている。しかも、実際に手にとって感触を確かめることができる。重さや軽さから、等身大の選手像が伝わってくる。

 阿部慎之助(巨人)や前田健太(広島)らのグラブを眺めると、内側に刺繍があることに気づく。

 案内をしてくれた広報宣伝部の木下今日さん(27)によると、展示品は特注の形状や素材、デザインまで全く同じという。「前田投手は背番号の数だけ勝ちたいと、18個の星を刺繍しているんですよ」と聞き、のぞいてみると、内側の生地に「地車魂」の文字とともに18個の星がみえる。

 印象に残ったのは中日の吉見一起投手のグラブだ。中をのぞくと、大きく漢字で「家族」と刺繍が施してある。「大観衆の前で堂々と投げているように見える一流投手でも、家族の支えを頼りに投げているのか」と思うと、スポーツ中継だけでなく、実際に球場に足を運んでも分からない選手の人柄に触れたような気がして、親近感がぐっと増すのを感じる。

 ■キーワードは「体感」

 ミズノのギャラリーは本社ビルが完成した平成4年には設置されていたという。しかし、当初はシューズなどを展示するだけで「見せる」ことをあまり念頭に置いておらず、中学校の社会見学を受け入れていたものの、社員以外に訪れる人は少なかったという。

 転機は23年からスタートした大阪マラソン。ビルの近くがゴール地点となったことから、「一般の人にもたくさん訪れてもらえる施設にしよう」と全面改装に着手した。

 展示の企画などを担当した木下さんが最もこだわったのは「体感」。自身も「博物館が好き」という木下さんは「ただ見るだけでは記憶には残りにくい」と考え、触ったり体を動かして用具を体感できるコーナーの新設を提案した。入り口周辺に現役選手の用具を集め、子供や若者の来場者に興味を持ってもらえるよう、展示をリニューアルしたという。

 最新のデジタル技術も利用した。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末をかざすと、画面に情報が表示される「AR(拡張現実)」を採用。動画を使って卓球の福原愛に端末をかざすと、画面に福原本人が登場し、「私の靴にはハートの刺繍が入っています」と説明してくれたり、サイエンス・プロデューサーの米村でんじろうさんが同社製品の技術を実験で解説したりする。一番人気は本田やイチローらと一緒に並んでいるかのように“記念写真”が撮れるコーナーだという。

 ■ミズノの歴史は日本スポーツの歴史? 

 日本人や外国人、競技を問わず、多くのアスリートの活躍を支えてきた総合スポーツ用品メーカーのミズノ。ギャラリーの後半は用具の変遷を展示した「歴史コーナー」になっており、まさに「スポーツの博物館」になっている。

 圧巻なのは、1900年ごろから最近までの野球グラブが並べられた展示。分厚い手袋のような形をした初期のグラブから、現在の形への変遷が見てわかるようになっており、思わず足を止めて見入る来館者も多いという。

 五輪コーナーには、日本選手団が着用したジャージーやユニホームなども、68年のメキシコ五輪のものから展示されている。年表解説もあり、実はミズノ製品が五輪に初登場したのは1928年のパリ五輪だった-などという五輪やミズノの歴史を学ぶ貴重な資料展示となっている。

 ■親子で楽しめるギャラリーへ

 ミズノではリニューアル以降、野球グラブづくり教室やエコワークショップなど、子供向けの体験教室を開催し、ギャラリーをPRしてきた。最近は個人の来館者も増え、24年度には年間約1万6千人が訪れたという。

 今ではスポーツ好きの親子連れ客が阪神の選手のバットの前で仲良く野球談議する-というような光景もみられるようになったといい、木下さんも「納得のいくギャラリーができました」と笑顔をみせる。

 スポーツ好きにはたまらない“お宝”も見学できるギャラリーだったが、木下さんは「スポーツが好きな人もそうでない人も、どんなきっかけでもいいので、スポーツにもっと興味を持ってもらいスポーツ人口を増やしていきたい。ゆくゆくは教育機関とも連携した取り組みもやっていければ」と話していた。

 ■ミズノスポートロジーギャラリー 大阪市住之江区南港北1の12の35、ミズノ大阪本社ビル1階。入場無料。申込み不要だが、5人以上の団体客は、事前申請で社員が館内を案内してくれる。開館時間は午前10時~午後6時。毎週土曜日、日曜日、祝日や年末年始、夏期休日は休館。問い合わせや予約は(電)06・6614・8411。

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2014.03.15|コメント(-)トラックバック(-)
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