「へえ~っ」とうなった人もいるだろう。産業能率大が毎年行っている「理想の上司」を聞く調査で意外な結果が出た。昨年55位だった堺雅人(40)が“半沢効果”で1位に躍り出たことではない。お笑いタレントの有吉弘行(39)が初のベストテン入りを果たしたのだ。それも昨年の55位から7位に大躍進である。
有吉は1996年、猿岩石のメンバーとしてテレビ番組の企画でユーラシア大陸貧乏旅行を行い、その後、じわじわと人気を上げてきた。いまではすっかり“毒舌男”のイメージが定着しているが、理想の上司とはビックリだ。
■毒気あるちゃめっ気
「彼はマツコ・デラックスと同じで、言いたいことをポンポン言う。それが若者に好まれているのです」とは芸能評論家の肥留間正明氏だ。
「貧乏旅行企画のあと、人気が低迷。そこで開き直って毒舌路線を打ち出しました。そうした捨て身の姿を若者は知っている。彼らは、有吉なら会社の上層部に<おまえら、偉そうなこと言うな。バカ野郎>と自分たちの不満を代弁してくれると思っているのです」
ならば、部下を指導する人は有吉に学ぶべし。人事コンサルタントの菅野宏三氏はこうアドバイスする。
「いまの若手社員はちゃめっ気のある上司が好きです。<おまえはダメだ>と部下の悪いところを指摘しても、にっこり笑って悪気がないことを示す。ときには自分のドジぶりを披露する。<仕事は適度に手を抜け>とやや不良っぽい発言をする。こうして親しみやすさをアピールした人が勝ちです。ただし有吉さんがレギュラーを増やして視聴率を稼いだように、上司も実力と実績を示さなければなりません。人は不良っぽい実力者についていくものなのです」
明日からチョイ悪オヤジに変身だ。