大したトラブルもなく、というより、もうすっかりメジャーに溶け込んでいるヤンキースの田中将大投手(25)。4月27日(日本時間28日)には、エンゼルス相手に最多の11K。2失点で負けはつかず、日本から続く不敗神話を続行させた。奪った三振は46個に達し、ア・リーグで3位に浮上した。
ヤンキース先発投手陣は現在火の車。ノバが右肘のトミー・ジョン手術を受けるため今季絶望。ピネダが松ヤニ投球で出場停止、CCサバシアと黒田は安定感に欠いている。早くも田中将は名門投手陣を支える存在になりつつある。
だが、まだ乗り越えていない厳しい“関門”が残っていた。メジャーでプレーする新人にとって、これを経験してこそ、ホンモノのメジャーリーガーになる。それは「仮装」だ。
「ルーキー・ヘイジング(新人いじめ)」とか「ルーキー・ラギング」と言われるこの行事。例えば試合後の移動の時、着替えを隠され、風変わりなといえば聞こえがいいが、時に恥ずかしい格好をさせられるから、する方も、される方も、さらには伝える方もヒートアップする。
同じヤンキースの松井秀喜選手はハリウッドスターのいで立ちで、とても似合っていたとか。井川慶選手は「オズの魔法使い」に出てくる悪の使いのサル。黒田博樹選手は超ハデな衣装に身をくるんだ。
恥ずかしい例(?)ではレンジャーズのダルビッシュがピカイチ。シンクロナイズドスイミングのスイムスーツ姿で遠征に出発し、本人は努めて無表情で試練を耐えた。
他にもアスレチックスに入った藪惠壹選手で芸者ガール、レイズの岩村明憲選手がお色気で知られるレストランのウエートレスにふんした。
今のメジャー挑戦に道を開いたドジャーズの野茂英雄選手は、真夏に分厚いコートを着て移動。「アラスカにでも行くのか」と冷やかされ、大汗をかいたとか。
メジャーに渡った日本選手のほとんどがこの洗礼を受けるが、中には大魔神・佐々木主浩選手のように“免除”されたケースもあったとか。実際には表に出なかっただけかもしれないが。
ところで、田中将の「Xデー」はいつか。通例なら、シーズンも終盤にさしかかってからだが、チームの状況によっては夏頃のこともある。どんなおかしな姿でスタジアム移動することになるのだろうか。有力候補は、登場のときにヤンキースタジアムに流れる、大好きな「ももクロ」のコスチューム!?