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桐生、期待の船出 土江コーチとのコンビは“スロースタート” - news15

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2025.08.23|コメント(-)トラックバック(-)

桐生、期待の船出 土江コーチとのコンビは“スロースタート”


 壇上にスーツ姿の7人が並んだ。桐生祥秀は右から2番目、少し硬い面持ちで立っていた。

 4月6日、東京・日本武道館で行われた東洋大学の入学式。式が終わった後、新入生アスリートの1人として紹介されたのだ。

 陸上男子100メートルで10秒01という日本歴代2位のタイムを持つ18歳は、約7500人の同級生の中でもひと際、有名だ。名前を呼ばれ、舞台の階段に向かう際には、大きなどよめきが起こった。

 ■「輝かしい記録を」

 7人の一番右端、桐生のすぐ隣には、4月に短距離部門コーチに就任したばかりの土江寛裕・日本陸連短距離副部長が立った。新入生の横に、ただ一人の教職員は、かなり目立つ。

 司会者が会場に明るく語りかけた。「桐生さんと土江先生のコンビで輝かしい記録に挑戦します」。拍手が湧いた。

 直後の会見では、土江コーチが、桐生とともに目指すターゲットを明らかにした。

 2020東京五輪100メートルでの決勝進出-。

 「6年のうちには良い時も悪い時もある。その振れ幅も財産になるだろう。長期的なところに目標を持って取り組んでいきたい」

 ■9秒台まで“20センチ”

 100メートルの日本記録は10秒00。伊東浩司・現日本陸連短距離部長が16年前の1998年12月、タイ・バンコクで開かれたアジア大会準決勝でマークしたタイムだ。

 この記録に、桐生は昨年5月の織田記念で100分の1秒まで迫った。100メートルを10秒で走るということは、単純に距離換算すれば0秒01は10センチ、9秒台までは20センチということになる。当時、17歳。若さは可能性と同義語でもある。

 「期待される選手を指導していくことにプレッシャーも感じているが、楽しみな気持ちでいっぱい」。土江コーチは、こう語った。

 注目の指導方針だが、まず今季は「観察」に重きを置くという。どのような言葉に、どう反応するか。いかに信頼関係を築くか。日本代表チームで付き合いがあっても日は浅く、また、普段の練習まで見ていた訳でもない。桐生については「独特の感覚がある。センシティビティ(感受性)の高い選手」と捉えており、その感性を理解し、歩調を合わせることが先決との認識だ。

 もう一つ大事にしたいと考えているのが寮生活。桐生は陸上部の寮に入り、短距離の先輩との2人部屋になった。掃除当番や門限もある。チームの一員とするため特別扱いはない。

 早大競走部出身の土江コーチは自身の経験も踏まえ、「スプリンターは集団の中で何かやるのが苦手な選手もいる。桐生も最初は大変だろうが、乗り越えてほしい。選手が終わってから『普通の社会人』の時間の方が長いのだから」と人間的な成長も期待している。

 ■友達といる時は…

 「陸上で期待されている分、結果を出して恩返ししていきたい」と桐生は言った。この日、スーツに初めて袖を通し、「大学生になったんだな」と、ネクタイに入った「T」と「U」のマークを示してみせた。

 「あんなに人が多い中で(壇上に)上がらせてもらって、大学の名前を背負ってという気持ちはあります」。望外の期待の高さにも、当の本人に気負ったり、ひるんだりといった様子はない。

 京都・洛南高3年で10秒01を出して以降、滋賀県出身のスプリンターの顔と名前は一気に全国区となり、知らない人に声を掛けられる機会も増えた。もちろん応援してもらえることはうれしいというが、「友達と一緒にいる時に声を掛けられると、友達に気を遣ってしまうんですよね」と苦笑いを浮かべた。

 法学部企業法学科の学生としてのキャンパスライフも始まる。新しい友人関係も築いていきたい。部での活動を含め、うまく環境に慣れることが第一歩だろう。

 4月末には「一つの大きな大会」と見据える織田記念(広島)が再び巡ってくる。世界ジュニア選手権(7月、米オレゴン州)、アジア大会(9月開幕、韓国・仁川)を控える大学1年目が幕を開けた。(宝田将志)



引用:桐生、期待の船出 土江コーチとのコンビは“スロースタート”



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2014.04.14|コメント(-)トラックバック(-)
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