16日に閉幕したソチ冬季パラリンピックに出場した日本選手団が20日午前、日本に帰国した。成田空港内で行われた記者会見には、アルペンスキー男子座位滑降とスーパー大回転の2種目で金メダルを獲得した狩野亮(マルハン)や同回転で金メダルの鈴木猛史(駿河台大学職員)らメダリストが出席した。
狩野は「出来過ぎた結果」と振り返り、「メダルが取れたのも日本チームや私たちをこれまで育ててくれたスタッフ、関係者の方のおかげだと成績をもって伝えられたかなと思う」と感謝した。また、鈴木はメダル獲得を喜ぶとともに、「チームの目標である表彰台独占のチャンスはあったが、スーパー大回転で自分が転んでしまい、達成できなかったのが悔しい」と次の大会でのリベンジを誓った。
一方、今大会は課題も残った。日本選手団は「金メダル3個を含むメダル総数10個」を目標としていたが、金メダルこそ3個獲得もメダル総数は6個にとどまった。選手団主将でスーパー大回転座位の銀メダルに輝いた森井大輝(富士通セミコンダクター)は「日本のアドバンテージはなくなっている。チェアスキーは世界に販売され、ほとんどの選手が日本製のチェアスキーを使ってメダルを獲得している。新しい用具の開発が必要」と訴える。さらに、クロスカントリー・バイアスロンで唯一のメダリストとなった久保恒造(日立ソリューションズ)は「科学トレーニングを取り入れるなど、チームとしてしっかり強化体制をつくっていかないと、いつまでも強豪ロシアとの差は広がっていくばかりと実感した」と危機感をつのらせた。