今春オープン戦は3勝10敗3分で12球団中11位。巨人との開幕戦(28日、東京ドーム)に不安を残した阪神。中でも「アキレス腱になるのでは」と関係者が眉をひそめるのは、リリーフ左腕の人材不足だ。
オープン戦で、打線は12球団ワーストのチーム打率・232、チーム総得点「41」も11位と低調。一方、昨季リーグ1位のチーム防御率3・07を誇った投手陣は先発コマ不足などが懸念されたが、チーム防御率3・69でセ2位の成績。今季も投手陣が頼みの綱となりそうだが球団関係者は「結局、左腕不足は解消されなかった」とため息だ。
開幕に臨むリリーフ陣は、新守護神の呉昇桓、セットアッパーの福原と安藤。そこに鶴、二神、金田が加わる予定だが、いずれも右投手。左投手に関して山口投手コーチは「(他の左腕は)みんな調子が上がってきてから考えるよ」というが、現状は加藤康介投手(35)だけでシーズンを迎えることになりそうだ。
首脳陣の期待を一身に受ける加藤は「今年に関しては開幕の巨人戦でいい投球をしたい。だからいつもはシーズン終盤へ向け徐々にペースを上げていたが、今年は最初から上げていかないといけない」と鬼気迫る表情。だが、懸念がある。“勤続疲労”だ。
一昨年は41試合、昨年はチーム最多61試合に登板し防御率1・97と2位躍進に貢献。が、オープン戦では6試合で防御率8・44と精彩を欠いた。それだけに「加藤1人に頼り過ぎるのは、リスクが高すぎる。壊れれば後釜もいない」(前出関係者)と心配を募らせる。
左腕は「そういうのはないでしょう。(昨季も)初めのうちは若干あったかもしれないけど、自分が勝手に神経質になっている部分もあった」と笑い飛ばしたが…。
今季も“独りぼっち”の左腕が、リリーフ陣のキーマンになりそうだ。