プロ野球が28日に開幕する。1934年のプロ球界誕生から80周年となる今季、12球団はメモリアルシーズンでの優勝を目指し最終調整に突入したが、昨年オフに“30億円補強”とウワサされるなど積極的な補強に動いた球団もあれば、現有戦力の底上げで勝負に挑む球団もある。開幕時点での各球団の年俸総額(支配下選手のみ)を本紙が独自に集計した結果、実際の投資額から今季にかける、それぞれの本気度が見えてきた。
日本有数の大富豪である孫正義オーナーの大号令の下、なりふりかまわぬ補強で覇権奪回を目指すソフトバンク。失敗続きの大物メジャーリーガー獲りをやめ、日本で実績ある他球団の助っ人にスイッチ。オリックスから年俸4億円で李大浩、阪神から同2億円でスタンリッジ、日本ハムから同1億5000万円でウルフ、西武から同1億円でサファテを引き抜いた。さらにFAで中日から中田、日本ハムから鶴岡を獲得。年俸総額は前年比4億4400万円増の37億5100万円で、巨人に次ぐ金満球団に躍り出た。
だが、ソフトバンクをしのぎ12球団トップの札束を積み増したのが、昨季日本一の楽天だ。主力が軒並み増額したのに加え、年俸3億円のユーキリス、同2億円のブラックリー、同2億円のファルケンボーグ(前ソフトバンク)、同1億5000万円の後藤(前オリックス)と大型補強を敢行。年俸4億円だったエース田中が米球界に移籍したが、年俸総額は前年比4億7000万円増の28億円弱に。昨年の開幕時点で金満度は11位だったが今季は同4位までジャンプアップ。杜の都に常勝軍団を築こうという気合が伝わってくる。
親会社同士もライバル関係にある両球団の熾烈な争いをよそに、他4球団はおとなしめ。ロッテは西武からFAで元エースの涌井を年俸2億2000万円で獲ったが小野、渡辺、薮田らかつての主力投手が退団し、年俸総額は前年比約1億円増にとどまる。涌井と片岡がFAで流出した西武は前年比1億7300万円もスリム化し、年俸総額は12球団中10位に。かつては巨人の向こうをはる大補強の印象があっただけに、隔世の感がある。
つぎ込んだお金の分だけ、白星を積み上げられるか。ペナントレースでは、年俸総額の順位と勝敗のズレにも注目だ。
■12球団年俸総額ランキング
順位(昨季順位)球団名 年俸総額 前年比
【1】(1)巨人 45億1200万円 +1億1000万円
【2】(3)ソフトバンク 37億5100万円 +4億4400万円
【3】(4)阪神 31億8500万円 +1億9100万円
【4】(11)楽天 27億9000万円 +4億7000万円
【5】(2)中日 26億5600万円 -7億2200万円
【6】(9)ロッテ 24億8900万円 + 9100万円
【7】(5)日本ハム 24億0900万円 -1億4000万円
【8】(6)オリックス 23億8100万円 -1億4000万円
【9】(10)ヤクルト 23億1000万円 - 3500万円
【10】(7)西武 22億4300万円 -1億7300万円
【11】(8)DeNA 20億8600万円 -3億1400万円
【12】(12)広島 20億6800万円 + 1000万円
※金額は夕刊フジが独自調べ(支配下選手のみ、育成枠は除く)