ソチ冬季パラリンピックは14日、ロシア・ソチで大会第8日が行われ、バイアスロン男子15キロ座位では、7.5キロで銅メダルを獲得した久保恒造(日立ソリューションズ)が6位に入った。また、後半種目が延期となっていたスーパー複合・スーパー大回転は、前半3位につけていた森井大輝(富士通セミコンダクター)が中盤の右ターンで転倒し途中棄権した。同競技は夏目堅司(ジャパンライフ)の6位入賞が最高位で、アルペン座位チームとして今大会初めて金メダルを逃した。
大会第2日目に続いてのメダルを目指した久保だったが、地力に勝るロシア勢についていくことができず、序盤でメダル争いから脱落。後半、得意の射撃で満射を連発するなど追い上げを見せ6位入賞を果たした。レース後、久保は「しっかり自分のレースができた。悔いはなく、むしろすがすがしい気持ちです」と晴れやかな顔を見せた。
今大会、ロシア勢が圧倒的な強さを見せており、この日のバイアスロン15キロ座位も表彰台を独占した。「この滑りならいつもは勝っていた」という久保の会心の滑りも、まったく歯が立たなかった。それでも「自分の力は100パーセント出せたし、バイアスロン最後の試合を楽しく滑ることができた」とうなずいた。
久保は今大会で冬競技から退き、夏競技に専念する。しかし、後継者のいない現状に「このままの強化体制ではますますロシアとの差が広がってしまう」と、危機感をつのらせる。そして、抜本的な強化体制の見直しを強く訴えた。
バイアスロンの男子立位は佐藤圭一(エイベックス・グループ・ホールディングス)が10位、女子12.5キロ立位は出来島桃子(新発田市役所)が7位入賞した。
スーパー複合では谷口彰(相模組)が7位入賞した。森井は転倒時に背中を強く打って、安静のため、すぐに宿舎に戻った。あす15日の大回転に出場するかは今後の経過を見て判断するという。