ヤンキース・黒田博樹(39)にとっては苦しいシーズンになりかねない。
1日(日本時間2日)のマリナーズ戦に登板。6回7安打4失点、1四球、7奪三振で今季3敗目(2勝)を喫した。立ち上がりから苦しい投球が続き、四回までは毎回のように出塁を許した。1-2で迎えた四回、四球と3長短打で2点を追加された。変化球のキレはなく、終始、険しい表情を見せるなど、マウンド上で苛立ちを隠さなかった。自己ワーストの月間防御率5.28を記録した4月から、依然として復調の兆しすら見えていない。
黒田はここまでの投球を振り返って「変化球のキレも精度もない。追い込んでからの決め球がないから苦しい投球が続いている」と自己分析している。
日頃から節制し、対戦相手の研究も怠らないだけに、単なる不調とは考えにくい。年齢的な衰えを指摘する声もあるが、不振が長引けば、先発2番手の立場も危うくなる。
■この調子では広島に帰れない
黒田は08年にドジャースに移籍した際、「日本に戻るならカープしか考えてない」と断言。古巣で現役を終える意向を明かしているが、下手をすれば米国でユニホームを脱ぐ可能性もある。黒田は今季開幕前、親しい関係者にこう話していたそうだ。
「(広島には)余力を残して戻りたい。応援してくれる人に失礼だし、ボロボロになってからでは帰れない」
メジャーから相手にされなくなってからではなく、オファーがあるうちに広島に復帰したいと考えているという。
しかし、今季、ヤンキースで結果が残せなければ、多くの球団は年齢的なリスクを考慮して獲得に二の足を踏む。今季のような高額年俸(約16億円)は望むべくもない。「余力のあるうちに」と決めている以上、メジャーからオファーがなければ、古巣への復帰は断念し、今季限りでユニホームを脱いでも不思議ではない。
ここ数年は「一年一年が勝負」と話しているだけに、今後も進退をかけたマウンドになる。
▽黒田の話「前回よりは良かった。考え過ぎてコースを狙い過ぎたところもある。今は我慢するしかない」