サッカー欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2戦が19日に行われ、日本代表MF香川真司(25)の所属するマンチェスター・ユナイテッドはオリンピアコス(ギリシャ)とホームで対戦。FWファンペルシー(30)がハットトリックを達成して3-0(2戦合計3-2)の大逆転で3大会ぶりのベスト8進出を決めた。香川は出場しなかった。
アウェーを0-2で落としていたマンUにとって、この日は背水の陣。今季無冠危機に陥り、モイーズ監督(50)の解任の声も強くなっていた。試合前には「オリンピアコス戦では(香川)シンジを必ず起用する」と明言していた同監督だったが、試合が始まると香川を無視。ファンペルシーのゴールラッシュに歓喜の声をあげた。
試合はファンペルシーが前半25分に倒されて得たPKを決めてからマンUペース。同ロスタイムにはMFルーニーのクロスを左足で合わせて2点目。後半6分には右からのFKを左足でファーサイドへ流し込んでハットトリックを達成した。
ホームのミラクル勝利に7万を超える大観衆は拍手喝采。試合前まではモイーズ監督の去就は風前のともしびだったが、一気に盛り返した結果になった。
反対にこの試合に出場することがなかった香川は、改めてモイーズ体制では構想外であることが明らかに。あからさまに約束を破られ、ベンチに座らされたままの香川は立場なし。モイーズ監督の首がつながると、香川の今オフ放出の可能性が現実味を帯びるという皮肉な一戦だった。
香川の古巣で初戦を4-2で勝利した昨季準優勝のドルトムント(ドイツ)は、ホームでゼニト(ロシア)に1-2で敗れたが、2戦合計5-4で準々決勝に駒を進めた。