欧州CL準々決勝で対戦した名門同士、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)とバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)には「昨季のリーグ王者」「オフに新監督招聘(しようへい)」の共通項があった。
しかし、今季の成績は天と地ほどの差がついた。グアルディオラ元バルセロナ監督を招いたバイエルンは、無敗で3月中にリーグ優勝決定。前エバートン監督モイーズ率いるマンUは、欧州リーグ出場圏内にも届かない7位に低迷している。 ひとえに「両指揮官の能力の差がモロに出た」(サッカージャーナリスト)。
日本時間2日早朝開始の第1レグも、マンUの劣勢ぶりは目を覆うばかり。何とか0─0でしのいだとはいえ、前半のボール支配率はバイエルン73%─マンU27%。パス成功本数ではバイエルン389本(成功率86%)に対してマンU82本(60%)と圧倒的大差がついた。
■解任論に悩む監督には望外の喜び
そんなマンUの状況を一変されたのが、後半投入された日本代表FW香川真司だ。
2列目の左サイドに入るとFWルーニー、ウェルベックに何度も好パスを通し、マンUの攻撃は明らかに活性化した。後半13分、相手左サイドを攻め入った香川がCKを獲得。ルーニーが蹴ったボールを、CBビディッチがヘッドで先制弾を叩き込んだ。
後半22分にバイエルンMFシュバインシュタイガーに左足ボレーシュートを決められたが、バイエルン相手のドローは、マンUのモイーズ監督にとって望外の喜び以外の何モノでもない。試合後には「これでミュンヘンに行って第2レグで勝つための大きな機会をゲットした」と満足げである。
それもこれも後半からプレーした香川の奮闘に助けられた格好。先発から外し続ける無能監督に解任論が飛び交う中、活躍すればするほど「首がつながってしまう」皮肉な結果に、香川も痛しかゆしといったところか─―。