30日のロッテ戦で3-2と競り勝ち、本拠地・ヤフオクドームで開幕3連勝を飾ったソフトバンク。オープン戦でも最後は13連勝で首位フィニッシュ。王貞治球団会長は「こんなのは序の口。ウチは14連勝するつもりでやるのだから」と不敵に笑ったが、その言葉通りの展開になった。
28日の開幕戦。ロッテは、抜いた球で打者のタイミングを外す投球術を誇る成瀬が5年連続でオープニングのマウンドに立った。が、1番・本多から始まる打線が5回までに6点を奪い攻略。どこからでも仕掛けてくる相手に、ベテラン左腕も「リズムに乗る前に真綿でしめつけられる感じ」と脱帽だった。
29日の2戦目も6回に打線がつながり逆転勝ち。FAで移籍した中田が先発マウンドで奮投し“補強効果”もみせつけた。
試合後の秋山監督も笑顔だった。「李大浩がヒット狙いで右方向への打撃をしてくれている。みんながつなごうという気持ちになってきているね」。自分の役割を果たしているナインをたたえた。
オフの大補強は現場にとっては、この上ないプレッシャーだろう。契約最終年で背水の陣である秋山監督としては、自分の思い通りにやるしかない。「自分の目で見て、一番調子のいい選手を使う」というやり方だが、その選手の目利きには、中日の落合GMが一目置いているほどだ。
開幕3試合を終えた時点で、しっかり固定され機能している打線についても「調子が落ちたり、ケガしたとき、かわりの選手を今から作っておかないとね」と、控え組まで目を配っている。
チームは最高のスタートを切った。そんな状況でもレギュラー予備軍の底上げを考える。「監督は何もしないでじっとしている方がいいんだけど」。秋山監督の言葉に今シーズンへの思いが伝わってくる。 (永谷脩)