女子の体操選手といえば「身長が低く、貧乳」というイメージが強いが、全日本個人総合選手権で連覇した笹田夏実(18・日体大)は、ムチムチ(151センチ・45キロ)していて胸も大きい。得意の床では、最後の屈伸ダブルの着地を見事に決めて観客を沸かせた。男性ファンが急増中の美人選手だ。
跳んだり、走ったりする競技では大きな胸は重いし、動きの妨げになる。
テニスのシモナ・ハレプ(22=ルーマニア)という選手は、Hカップの巨乳がプレーの妨げになるとの理由から乳房縮小手術を受けた。
スポーツ選手の体に詳しいフィジカルディレクターの平山昌弘氏が言う。
「旧ユーゴのナショナルスキーチームのコーチ時代、東ドイツ(当時)はドーピング技術が発達しており、女子選手の胸が大きくならないようなクスリを使っているといわれていた。今はドーピング検査が厳しくなったので、そんな薬物があったとしても使っている選手はいないだろうが、それほど大きな胸は競技の邪魔になるのです。私の知人に、器械体操をやっていた自称Dカップの女性がいた。彼女はその胸をスポーツブラできつく押さえ付け、ダイエットで体重を軽くして競技に臨んでいたら生理不順になったと言っていました。それにしても、昨年末に引退した田中理恵さん(26=157センチ・45キロ)のようなスタイルのいい体操選手は昔はいませんでしたね。日体大に所属し、79年からNHK杯を4連覇した加納弥生さん(笹田夏実の母)も、いわゆる普通の体操選手の体格でした」
■世界でますます苦戦
日本の体操女子は男子に比べてレベルが低い。09年の世界選手権で鶴見虹子(21)が、個人総合の銅と種目別の段違い平行棒で銀を獲得したのは43年ぶりの快挙だった。
五輪メダルは64年東京大会の団体総合の銅だけ。最近の北京、ロンドンも、団体総合(5位、8位)も種目別(鶴見の平均台=8位、段違い平行棒=7位)も入賞がやっとだ。
近年の若い女性は昔に比べて豊満になった。以前は身長が150センチにも届かず、幼児のような体形が当たり前だった体操の女子選手もしかり。実力差が開いているのにバストやヒップが大きくなれば、世界の舞台ではますます苦戦しそうだ。
ちなみに男子は、内村航平(25)が史上初の7連覇を果たした。